【第十四作目 カミカゼ✩エクスプローラー!】【予備知識】友人K情報:アクの強い絵柄ですが、如何でしょうか。
パッケージ情報:おっぱいが病気レベル
【作品紹介】発売日:2011/08/26
ブランド:Clochette
サブジャンル:ADV
シナリオ:姫ノ木あく、冬雀、J・さいろー
原画:御敷仁
音楽:Elements Garden(BGM) , 水城新人
アーティスト:NANA・佐藤ひろ美・AiRI(UR@N)
【ヒゲトニオの所感的な作品解説】音楽担当は名曲量産機の信頼と実績がある、
Elements Gardenで
エロゲというジャンルを超越した名曲「迷いの森」でボーカルを担当した
エロゲソング界で神に最も近い存在と呼び声の高い、「佐藤ひろ美」さんが参加しているだけでなく、
「ういんどみる」が生み出した名曲「祝福のカンパネラ」で
「佐藤ひろ美」さんとデュエットした「NANA」さんまで登場しているという豪華スタッフ
その中で一人だけ分からない「AiRI(UR@N)」さんという方についても調べてみたところ、
色々な作品に参加していらっしゃるようで、
機動戦士ガンダムAGE:挿入歌
プリズム◇リコレクション!:OP主題歌
それは舞い散る桜のように 完全版:挿入歌
アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女:イメージソング
グリーングリーンシリーズ:各ED
こ、これは凄いメンツなのでは・・・?
これだけの豪華メンバーが携わると分かれば、
自然と音楽に注目しますね!箱は、よくある表面だけ豪勢で無骨な白いエロゲパッケージですが
中を開けると、カミカゼ✩ファンブックという分厚い資料が見つかり
内容を見てみると、説明書の機能だけでなく
キャラクター・世界観・イベントCG・作中で未登場の原画・ボーカル曲の歌詞等をオールカラーで見れるという
超豪華な
通常版特典が同梱されていました。
【ストーリー紹介】今より少し未来、気候や地表の変化が起き、人の生活圏が少し狭くなってきた時代のお話。
緩やかに変わる世界に呼応するように、若い世代の間で “メティス” と呼ばれる
特殊な力を持った者が現れるようになる。
不思議な風が吹くという逸話が残る上ヶ瀬市では、
祐天寺グループを中心とした複数の企業による出資のもと、
一部浸水した区画を埋め立てて澄之江学園(すみのえがくえん) が創設され、
特殊な力を持つ者の育成・教育が行われていた。
主人公・速瀬慶司は、そんな能力とは無縁の生活を送っていたが、
ある日、学園のエージェントと名乗る人物からなぜかスカウトされ、澄之江学園に入学することに。
そして、ふとしたきっかけで、澄之江学園とその周辺の問題調査(という名の困り事解決) をする
『学園都市調査研究会(通称:アルゴノート)』 に参加するようになる。
これまで体験したことのない出来事にとまどいながらも、胸を躍らせる毎日。
そんな中、澄之江学園、そして再開発された上ヶ瀬市には妙な噂があると耳にするのだった――。
【ヒゲトニオの所感的なストーリー解説】超能力学園モノは定番ネタですが、改めて見るとストーリー紹介の時点で大量の伏線が・・・
不思議な風=カミカゼだったりするのでしょうか。
最後の妙な噂とは一体・・・!
7大要素解説【システム】ゲーム中はオーソドックスな選択肢形式のADVで
システムはテキスト設定とBGM音量の基本要素を抑えつつ
オートモードの詳細設定で秒単位での設定やフォントも7種類から太字に出来たり装飾出来たり。
また、ゲーム設定やシステム設定で詳細な設定が可能です。
個人的には時代遅れなPCを使用しているので、3D設定は助かりますし
無駄に使ってみたくなるドラマティックモードの存在は楽しめました。
オマケで開放される立ち絵鑑賞モードはサブキャラを含めて全11キャラに対応しており
表情の多いキャラは
150パターン以上に加えて、感情エフェクトも18パターンから選択可能と充実しています。
全体像は見れないものの、豊富な内容で結構楽しめます。
【グラフィック】全44種類と背景は多めで、プレイ中でも丁寧な説明や細かい描写が多いため、
移動中の演出時に地味な活躍が光ります。
また、
自然の彩りが綺麗で水や虹や夜が登場する背景は、とても良い感じでした。
初見では印象の悪く、ドギツイ印象だったキャラクターの絵柄も、
プレイを進める毎に洗脳されていき、最終的には本作にマッチした絵柄だったと思います。
個人的にはテキストが流れながらも、ころころと変わる表情や
サブキャラの顔が変わるレベルでバリエーションが豊かな表情がお気に入りでした。
【サウンド】まず真っ先にお伝えしたいのが、
タイトル画面のOPインストゥルメンタルが超絶に良い!ヒゲトニオは起動したら、まずタイトルBGMを満足するまで聴き込んでからモチベを上げていました。
肝心の収録BGMは、作中曲全20曲でボーカル曲が全3曲と意外と少なかったです。
牧場をイメージさせるカントリー系ミュージックの「ようこそ上ヶ瀬へ!」とか
タイトルそのまんまの「それぞれの決意」は、とても良い感じなのですが
如何せん楽曲数が少ない為、テキストから流れる音楽が予想できてしまうのが残念でした。
各キャラのイメージBGMは、一部がイメージとマッチしていない印象で
むしろ日常パートで使われる恒常BGMという感じで、少し残念。
豪華スタッフだけにセンスが光るものの、
余り活かしきれていない楽曲数が
とても残念です。
【キャラクター】そんな個性的でもないはずなのに、サブキャラも含めてキャラクターの印象付けや活躍シーンが巧みで
どのキャラにも愛着が生まれる不思議な感覚でした。
おそらく、この感覚が絵柄の印象を緩和させていく洗脳教育なのでしょう。
一部で空気化するキャラクターが存在するものの、基本的に個別ルートでも多くのキャラを活用しており
立ち絵のないキャラクターでさえ見せ場があります。
なんというか・・・手駒を活用する系の遊びで
将棋とかカードゲームが上手そうなシナリオライターが多いな。という印象。
主人公は一般人という設定に無理があるぐらい理知的で機転が利き、行動的で大胆な一面も見せる
大物臭が漂う圧倒的な存在感でしたが、
一部ルートでキャラ崩壊が起きていたのが残念でした。【シナリオ】このゲームの核となる要素「メティス能力」が良く練りこまれており
練りこんでいるけど複雑にしない分かりやすさが好印象でシナリオライターも設定を十分に活用しており
個別ルートのクオリティーは高いと思います。
同じような舞台・同じような展開を、様々な魅せ方で演出しており
同じような演出にならないよう、しっかりとバリエーションを用意しているのでこのキャラの場合は、どんなパターンで楽しませてくれるのか?という期待に変わり
既視感があっても飽きずにクリックを進められたので、個人的には満足。
一部の恋愛色の強い個別ルートが全く肌に合わず、イマイチ面白くなかったものの、
そのストーリーですら、解明されていくキャラクターの心理描写は他シナリオでも活きていき
イチャラブ要素と壮大で感動的なストーリーを両方楽しめる良質な内容でした。【テキスト】「戦うのはやはり本文
じゃぁぁない」
「雲一つ
ないいい天気だった」
「どこでも○○○
の襲うようになるぞ……?」
「懐かしい
に匂い」
「
刀添えられ」
「発言が
ぶれっぱなし先輩は」
「<<○○○○○>>
ことも○○のことも」
「実質戦力は宇佐美先輩の
<<○○○○>>」
最初は全く見つからなかったはずなのに、列挙してみると多い・・・
一番下の誤字は
致命的です。
で、肝心のテキストは丁寧。どこまでも丁寧。
本当に細かい描写や説明が多く、プレイヤーが疑問に思う痒いところにも手が届いており
キャラクターの心理描写や、会話も個性が活きてて機転の効かせ方も上手い。
ストーリーだけでなく、こういった描写や会話も物語に惹かれる重要な要素なので
とても良い感じでした。
【Hシーン】Hシーンは各キャラ4~5パターン用意されており
イベントCGも概ね良好で、テキストも濃厚で、声優もノリノリでした。
なにより長い。
調べてみたところ「Getchu.com 美少女ゲーム大賞2011」「エロ部門」で抜きゲーでもないのに
一位を獲得しており
ヒゲトニオも危うくオカズ勢になるところでした。
うーむ、これは需要がありそうですし、
何だかヒゲトニオも新たな属性が開拓されたような感じがします。
ただちょっとドン引きするような展開とアホっぽいギャグ要素もあるので
ネタ的にもエロ的にもレベルが高いものの、まぁエロゲだし。っていう
許容が必要です。【プレイ感想】【プレイ中の評価5段階評価】
■■■□□ システム:3
■■■□□ グラフィック:3
■■■■□ サウンド:4
■■■■□ キャラクター:4
■■■■□ シナリオ:4
【クリア後の評価5段階評価】
■■■□□ システム:3
■■■■□ グラフィック:4
■■■■□ サウンド:4
■■■■□ キャラクター:4
■■■■□ シナリオ:4
総評価B得点数:80点【プレイ感想】なんというか・・・非常に惜しい作品です。
音楽面の豪華キャストを活かせていない楽曲数
メティスの設定は練りこまれているものの、狭いコミュニティーで終わっていたり
全体的に小ぢんまりしています。というのも、イチャラブゲーの比重が大きいので
深いところまで追求せず、浅瀬で話が完結してしまうのが大きな要因かと思います。
この辺は作品の傾向というか方針なので、一長一短で好みが分かれます。
ただ、シナリオライターは用意された素材を十二分に駆使しており、
キャラ萌えのイチャラブゲーかと思いきや、爽快感バッチリのスッキリした壮大なストーリーや
絵柄補正を超越したキャラクターへの愛着等、しっかりとイチャラブもしており
シナリオの展開や構成に思わず唸ります。
なんといっても丁寧な描写や機転の効いているシーンが地味ながら、素直に感心してしまい
それが好評価に繋がっていく手法が見事です。
プレイしていて嫌悪感や違和感だけで終わるシナリオがありませんでした。
単発作品として終わらせるのは勿体ないので、同じ世界観の別舞台での作品や
イチャラブゲーではない作品も是非プレイしてみたいです。
【OPムービー】【あとがき】世間的にはイチャラブゲーという扱いのようですが
個人的には各ルートの終盤の展開ばかりに注目していたので、ちょっと認識が違う感じでした。
思わぬ拾い物を得た感じで、お得感バッチリ。
何だかんだでセンスが光る要素が多く、プレイして良かったと思える作品でした。
欲を言うと、もっと予算を時間を掛ければ神ゲーに近づけたと思います。