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「双子座のパラドクス」レビュー

9/9:体験版レポートの内容を本文に反映

【第十八作目 双子座のパラドクス】
双子座のパラドクス

体験版レポートも併せてお読みください。
http://higetonio2.blog.2nt.com/blog-entry-38.html


体験版レポートの文章も「>」で反映しました。


【予備知識】
友人K情報:ヒゲさんの体験版レポートを信じて、先にプレイしてレビューよろしく。
パッケージ情報:生まれて初めてエロゲのラッピングを開封しました。

【作品紹介】
ブランド:コットンソフト
発売日:2013年 6月28日
ジャンル:漂流系学園ADV
シナリオ:海富一 狩野伊太郎 御導はるか 他
原画:司ユウキ ミヨルノユメギ
楽曲製作:電気式華憐音楽集団
価格:9,240円(税込)

【ヒゲトニオの所感的な作品解説】
>聞いたこともないブランドなので、調べてみたところ、
>元々は「ねこねこソフト」というブランドの会社規模が大きくなりすぎて維持できなくなり、
>活動停止した際に、「グリザイアの果実:榊由美子ルート」や「さかあがりハリケーン」のシナリオを担当した、
>「木緒なち」さんが中心に再始動したブランドらしいです。

>ちなみに「ねこねこソフト」で中心人物だった方は参加されていないようです。
>創作思想とか方向性の違いでしょうか。

>「コットンソフト」の代表作は
>「ナツメグ」・「レコンキスタ」・「ナギサの」・「アンバークォーツ」・「終わる世界とバースデイ」等ですが
>注目すべきは、大手投稿サイトの取扱データ数が300~500件なのに対して、0点で投票されている作品が少なく
>良識のあるプレイヤーに注目されているブランドのようです。

>それだけで、そこそこのクオリティーは保証されているという信頼を勝ち取っているのだと思われますが・・・
>「ねこねこソフト」も「銀色」・「みずいろ」・「サナララ」・「Scarlett」等を開発して、結構有名らしいので
>贔屓のプレイヤーも、それなりに獲得していると予想されます。

元々は5月の発売予定でしたが、「意外と予約本数が伸びない」というバカ正直な理由で延期したので、
どうしてもマイナスのイメージが付き纏う本作。

個人的に「グリザイアの楽園」・「レミニセンス」との直接対決を実現して欲しかったのですが・・・
業界同士のカニバリズムは望むところではない。ということでしょうか?

最近気づいたことですが、エロゲ業界ではブランド・スタッフ間の横の繋がりが強く
「ALcot」の作品でスペシャルサンクスに「姫ノ木あく」の名前があったり
「FAVORITE」の作品で他社かフリーか知りませんが、多数のプロが参加したビジュアルファンブックが付録だったり
友人Kによると、千代田区にはエロゲブランドの「ちよれん」とかいう連合が存在するらしいです。

競争社会の中で蹴落とすのではなく、手を取り合う姿勢は凄く良いですね!
素晴らしいと思います!


【ストーリー】
――そして世界は2つに隔たれ、僕たちは矛盾する。
私立 永幡(エイマン)学園――
そこは各地から特殊な能力を持つ (と思われる) 学生たちを集めた
“特殊能力開発科” が存在する唯一の学園だった。
主人公はそんな学園に通う、双子の兄弟。
幼なじみの姉妹や友人たちと共に、騒がしくも穏やかな日常を送っていた。

しかし、その日常は唐突に終わりを告げる。

ある日の放課後、校内に残っていた主人公たちは、
突然の落雷と共に、学園ごと異次元のような謎の空間へ飛ばされてしまう。
そして弟は異次元に飛ばされた学園のほうへ、兄は偶然難を逃れて元の世界のほうへと、
離れ離れになる双子の兄弟。

2人はそれぞれの場所で、ヒロインたちと共に、今までとは全く違う非日常の世界を生きることになる……

【ヒゲトニオの所感的なストーリー解説】
>色々な能力を持った学園て・・・なんだか「ういんどみる」の「Hyper→Highspeed→Genius」が彷彿とされます。
>学園ジュブナイル作品で、超能力ネタって結構な定番ネタですが

>気になる点は、「突然の落雷と共に、学園ごと異次元のような謎の空間へ飛ばされてしまう。」という内容で
>学園異能力バトルではなく、異世界を冒険する作品なのでしょうか?
>まるで、アトラスの発売した「女神異聞録ペルソナ1」みたいで面白そうな感じですが(やっぱペルソナは1が最高!)
>異次元の弟・現世の兄。次元を隔てた二人のストーリーが交わり、どのようなストーリー展開を魅せてくれるのか
>非常に期待が持てます。

この辺は当ブログの体験版レポートでも記載済ですが
漂流系学園ADVということもあり、サバイバル・超能力・パラドクスという三つのキーワードは
なかなかウケも良さそうです。

それにしてもプレイした後にストーリー説明を読むと、なんだか感慨深いものがあります。
既に伏線は始まっています。


6大要素解説

【システム】C
>ゲームをプレイする際、真っ先に確認する項目が環境設定ですが
>シンプルに整っており、テキスト・音声の基本的な要素の設定だけのようです。
>物珍しい要素としては、ムービーの再生形式を変更できたり、ジョイスティックでプレイできたり
>セーブデータを名前で指定してロードできたり・・・必要なのか謎の仕様もありました。

>本作は立ち絵ありのオーソドックスなADVゲームですが
>特筆すべきは二人の主人公による、「時系列フローチャート」システムが採用されており、
>一人の主人公でカットされていると思われた些細な描写を、もう一人の主人公視点で補完されていたり
>その逆も然り。

>体験版で序盤をプレイしていた感じでは、
>本編だけでなく二人の回想が合間に入るため、序盤は少しテンポが悪いものの
>この時系列フローチャートが上手く噛み合っており
>主人公への共感とか愛着とか、その辺も上手く引き出せており良い感じです。

>特に序盤の説明とか各キャラの印象付けをフローチャートで補っており、
>このクオリティーが続くのか、少し心配にもなりましたが、
>無理のない頻度に抑えているので、違和感なくプレイを続けられました。

基本システムは体験版で概ね完成しており、特に変化点は見つかりませんでした。
本作の特徴は「時系列フローチャートシステム」ですが、これが良い感じです。
二つのシナリオはリンクしており、一つのキーワードでも展開を変えての魅せ方も○

シナリオをLOCKして個別ストーリーを見せる順番や、展開の調整も上手に作られていますが
この手の作品の弊害として、並行して進めることにより
一つずつのシナリオのテンポが悪いので、プレイヤーがテンションを保てるかどうかで面白さも変わってきます。

序盤・中盤は気になるのでサクサクとプレイ出来ましたが、
後半のクッソ長い回想シーンはダレました。

後はクリア後の特典が超豪華で凄いです。
まるでサガ・フロンティアで全キャラをクリアした後のような・・・
それだけでなくオマケも面白い試みです。


【グラフィック】C
>背景は丁寧に描かれており、特に違和感はありませんでした。
>普通。とにかく普通。

>あとは・・・他ゲーでもスタッフの趣味・嗜好を主張する場として使われやすい主人公の部屋ですが
>過去作品っぽいポスターとか、なぜか新選組リスペクトとか

>こういった細かい遊び心を用意するのは、背景に注目する機会も増えるので楽しいですね!

>後は何気ない立ち絵なのに、スパロボのカットインのような動きがあり驚きました。
>なにこれ、抜きゲーの技術ですか?

立ち絵も綺麗で背景もそれっぽく、グロ描写がありながらも抑え目なので苦手なヒゲトニオでも問題ないのですが
テキスト描写に対してイベントCGの使い回しが気になりました。

後はイベントCGで超絶補正というか別人レベルで、絵柄が大幅に変わるので、
これは賛否両論ありそうです。
個人的には立ち絵の方が良かったかと思います。

テキストの内容と比べて、イベントCGは緊張感に欠けるので
シナリオをドラマチックに魅せる為にもグラフィックには、もうちょい予算を割いてほしかったです。


【サウンド】B
>音楽担当は「CIRCUS」・「Black Cyc」・「UNDEAD」の作品を多く手がける「電気式華憐音楽集団」らしく、

>異次元に飛ばされるという設定なので、不気味な音で不安を煽ったり
>緊張感のあるサウンドだったり、基本的にシリアスですが

>なんというか・・・ほんの少しだけチープっぽさがあり、
>初代プレイステーション・セガサターン・ドリームキャストぐらいに発売されてたADVっぽい雰囲気の音楽で
>聴いてるとノスタルジックな気分になりました。

>特筆して秀でてるわけでもない印象ですが、懐かしいゲーム音楽っぽい!
>もっと他のも聴きたくなります。

>体験版終わりの告知BGMがミンサガの「熱情の律動」っぽいのも印象的でした。

開幕からギルティギアばりのメタルサウンドで出迎えられ否が応にもテンションが上がります。
ゲーム中の音楽は全体的に不気味で不安を煽る曲調ですが穏やかなヒーリング調もあり、個人的には及第点ですが
曲数がボーカル曲のshort・long等のアレンジ全部を含めて24曲と少ないです。

ボーカル曲は3曲とも良い感じなのですが、惜しむらくはゲーム中のBGMで必殺の1曲が無いので
サントラ購入には至りません。
あぁ・・・非常に惜しいです・・・
タイトル画面とEDは超良いです、後は必殺の1曲さえあれば買ってたのに・・・!

それにしても、あの曲をあんな風にアレンジするなんて・・・
電気式華憐音楽集団の音楽性には感心します。


【キャラクター】B
>キャラクターはエロゲというより、アニメっぽいデザインが印象的で
>全年齢コンシューマーのADVでも結構ありそうな絵柄です。

>制服のデザインも初代ガンパレードマーチっぽいデザインで
>軍服と制服をミックスしたようなデザインが、彼らって特殊なんですよ!って雰囲気を醸し出して良い感じ。

>メインキャラクターの個性も派手すぎず、よくある系の正統派ばかりが揃っており
>王道系作品っぽいキャラが多いのも好印象です。

>若干、キャラが被ってるのもいますが
>その後のシーンで、「あぁ、なるほど」って感じになるので納得できました。

キャラクターは王道っぽい個性なのは変わらず
同社の別ゲーキャラがクロスオーバー参戦していたり(出番も多い)
キャラクター設定にも、しっかり意味があったり
意外性は十分!

まさか、あれに意味があるとは・・・これは読めない。


【シナリオ】B
>異次元の弟・現世の兄。二人の視点で描かれるストーリーは
>とにかく!非常に緊張感があり、
>伏線もたっぷりで話の構成もスムーズです。

>少しずつ着実に話が進み、でも意表を突く展開も用意されており
>かなり続きが気になるので、自然とクリックも進みます。
>プレイしていて面白かったので、これは製品版が楽しみですね!

>「そして世界は2つに隔たれ、僕たちは矛盾する。」
>時系列・複数主人公に加えて、開き直って堂々と「矛盾する」と宣言しているストーリー
>とても楽しみですね。

>なんといっても「時系列フローチャート」がゲーム性を生み出しており
>普通にテキストを読むだけの一本道をプレイするADVよりも、
>あの時こうしていれば・・・あそこの選択肢で先の展開も違ったかも?という、
>プレイヤーをストーリーに参加させる試みは、大正解だと思います。
>バッドエンドを回避する試行錯誤のロジック、これぞゲームだ!

体験版で見せすぎたと思っていたシナリオですが
あんなものは余興に過ぎず、序盤のB級パニック映画テイストから一点して、
中盤・後半の伏線回収は良く出来ています。

超感動して「なんじゃこりゃー!すげー!うぉー!うぉー!」という感じではなく
唯々「おぉ~なるほど!あ、そういうことか!」みたいな感心が絶え間なく続きます。

超長い回想シーンを終えてからの怒涛の展開は凄い!
そしてクライマックスの名シーン、感動のエピローグはプレイして良かったと思わせる読後感で
あの曲を流しながら、あのイベントCGは相乗効果がヤバすぎて涙なしには語れません。
グリザイアの果実で耐性が付いていなかったら、ヒゲトニオも泣いていたかもしれません


【Hシーン】D
>これは酷い!

>テキストもギャグにしか見えないのもありますが
>トイレネタが多すぎる!マジで多すぎる!ヒゲトニオには全く分からん世界だ!

>なにこれ、流行ってんの?ねぇ、なんなの?

>喘ぎ声も全体的にネタに走っているように見えるので、
>基本的には笑いどころしかない!

>エロゲっぽくない絵柄だと、特有の背徳感とかあるのかな?なんて興味もありましたが
>テキストは意識して見なかったことにしたほうが賢明かもしれません。

>また、Hシーン前には選択肢にも分かりやすい演出が入り
>とても親切な機能なんですが、Hシーンを省いた際にストーリーに影響があるのか気になるところです。

Hシーンは16回と多めですが、体験版レポートでも書きましたが
トイレネタが多すぎる。

後はテキストにするとギャグにしか見えなかったり
使い回してるのかと思うぐらい同じような喘ぎ声だったり
オカズ需要は薄そうです。


【テキスト】B
>「オレはいつもように」:「の」が無いよ!
>「俺はそこに一るの望みをかけて」:「にーる」みたいになってるから「一抹」のほうが適切だと思います。
>「○○の意見ももちろんだ」:「ももちろんだ」より「当然だ」とかのほうが自然だと思います。
>「やってみてれくれよ」:酔っ払いかよ!
>「一生けん命」:あえて「懸命」にしない意図があるのでしょうか。
>「上に上がっている」:二重に使っているので、展開的にも「戻っている」のほうが違和感が無い。
>「それも無理ないことかもしれない」:助詞がない。「無理のない」ですよね。
>「さらけ出んだっ」:誤字がさらけ出んだっ

>意外と誤字・脱字が少ないものの
>表現や助詞の気になるテキストが多かったです。
>また、「目眩」を平仮名で連呼で表記しているのも疑問でした。

>全体的には小難しい言葉も少なく、親近感の湧く文章で
>粗探しをしなければ気になりませんが、意識してると句読点・漢字変換・表現は気になります。

>また、意外とパロディネタが多く
>20代半ば~30代前半ホイホイの古くて分かりやすいネタが非常に多いです。

体験版レポートの印象だった「全体的には小難しい言葉も少なく、親近感の湧く文章」はそのままで
気になった誤字も修正されていたのですが、それに変わる新しい誤字・脱字・謎表現があり、結局は荒いです。


【プレイ中の評価5段階評価】
■■■■■ システム:5
■■■□□ グラフィック:3
■■■□□ サウンド:3
■■■□□ キャラクター:3
■■■□□ シナリオ:3

【クリア後の評価5段階評価】
■■■■□ システム:4
■■■□□ グラフィック:3
■■■■□ サウンド:4
■■■□□ キャラクター:3
■■■■□ シナリオ:4


総評価C
得点数:75点


【プレイ感想】
>王道にして正統派。
>あぁ・・・学園ジュブナイルADVしてるなぁ・・・という印象で、
>90~00年代のゲームをプレイしてきた昭和生まれには、堪らん内容です。
>ストーリーも非常に気になる。

>体験版で少しだけ垣間見えた伏線は、どのように回収されるのか・・・
>とても気になる展開は王道ながらも、興味を引きますね!

>また、超能力系の作品かと思いきや、意外とそうでもなく
>そういった描写は意外と控えめで、結構リアルな大衆の心理描写に加えて少しの異能力でした。

>主人公は“双子のシンクロニティ”に覚醒するのか!?
>最後は「極限脱出 9時間9人9の扉」みたいな展開になるのか!?
>とりあえずガンダムXのフロスト兄弟が主人公なら解決じゃないか!?

>最後まで気を抜けないのがエロゲの世界と分かっていても
>途中まででも間違いなく面白いので、当ブログでも70点~80点は堅い!
>個別ルートと最後の展開次第では、90点台も期待できるので(逆に下がる可能性もあるけど)
>これは個人的に買いですね!

>ただ、最近配信された最新の体験版だと、意外と長く、
>WEB体験版 Ver2は序盤だけに止めておくのが良いと思います。

>流石に個別ルートの序盤までは見せすぎです。
>最後までやると、製品版をプレイする楽しみが損なわれるので
>途中までプレイして、「あ、これ面白いな」って思ったら、そこで止めて注文することをオススメします。

キャラ萌えゲーとシナリオゲーの両方の要素を併せ持つ欲張りな作品。という感じです。
かなりスッキリと纏められており、シナリオゲーとしては良作かと思います。

後は体験版で緊張感のあるストーリーだったのですが、選択肢に意味がなさすぎるので
フローチャートをシナリオ的に活かせていても、ゲーム的に活かせていないのが残念でした。
攻略サイト無しでも余裕でクリアできます。

ただ一つ・・・一つだけストーリーで重要なポイントで分からない点が気になって仕方ありません。
色々と惜しい点もありますが、20代半ばのプレイヤーは懐かしくも楽しめる雰囲気になっており
体験版のクオリティー以上にキッチリと仕上げた、「コットンソフト」の今後の作品も期待大ですね!


【OPムービー】



【あとがき】
体験版レポートで書いた作品を改めて書くって予想以上に難しいですね。
今回は上手く書けませんでした。
ということで、体験版レポートの内容も併せて載せてみました。

よく出来たシナリオだと思いますが
やはりグラフィック・サウンドも重要な要素だと改めて思った作品です。

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