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「グリザイアの楽園」レビュー

*1/13:全体的に追記
*1/19:【サウンド】の項目に大幅な追記

【第二十作目 グリザイアの楽園】
グリザイアの楽園


【予備知識】
友人K情報:なんだかんだ面白い
パッケージ情報:最後まで絶好のポジションを死守したメイドの表情が微妙に違う!?

【作品紹介】
ブランド:Front Wing
発売日:2013/05/24
ジャンル:ADV
シナリオ:藤崎竜太、桑島由一、かづや、鳴海瑛二
原画:渡辺明夫、フミオ、ななかまい(SD原画)
楽曲製作:Elements Garden、ピクセルビー、松本文紀
ボーカル:奥井雅美、飛蘭、佐咲紗花、はな、橋本みゆき
価格:9,240円(税込)

【ヒゲトニオの所感的な作品解説】
主要スタッフは参加継続ですが、「木緒なち」さんはシナリオから外れ、ロゴデザインとして継続参加。
原画スタッフは変わらず、楽曲制作は「素晴らしき日々」や「H2O」を等に参加歴のある「ピクセルビー」
同じく「素晴らしき日々」やブランド「枕」の作品や同人作品にも参加歴のある「松本文紀」さんが参加。

そして何といっても注目株はアニソン界のレアルマドリードであり、読売巨人軍のようなオールスター軍団。
「JAM Project」の「奥井雅美」さんが参加。

とうとう表舞台から超大御所の参戦と、ゲームをインストールする時間の長さから
これまでにない予算が投入されていることが容易に想像できます。


【ストーリー】
A man divides fruits picked up, and takes out the seed. The seed taken out is buried under ground.
It will put out the bud, and become a gigantic tree, and to keep growing up after the man dies.
The name of the gray tree is [Grisaia]. That tree is not necessarily the last one in the world.
(男は拾った果実を割り、種を取り出す。取り出された種は、地に埋められる。
それはやがて芽を吹き巨木となり、男の死した後も成長を続けることだろう。
その灰色の世界樹の名は “グリザイア” その樹は世界に一本とは限らない──)

──ずっと変わらないと思っていた学園生活。
皆と同じ方角を向き、同じ足並みで歩んでいると、いつしか感じ始める錯覚。
このまま皆と同じ道を行けば、同じ場所にたどり着けると信じてしまう。
そしてふと気付いてしまう。人の数だけ歩んできた道があるように、人生に同じ道などないのだということに。

──麻子、俺、もう5人救ったぜ?
だから、もういいよな…? 俺、もう死んでも…いいんだよな…?
わかってる、たとえ誰かを救っても、俺の過去はなかったことにはならない。
それでも、笑って死ぬって、こういうことなんだろう?

もう会えないかもしれない。 それでもずっと、思い出は胸にある。
だがこの世の中、そんな言葉だけで満足するほど可愛らしい女ばかりではない。
それは、一人の少年が実感した、たった一つの真実──

【ヒゲトニオの所感的なストーリー解説】
その樹は世界に一本とは限らないという世界樹のバーゲンセール的な説明から
続いて欲しいけど、いつまでも続かない日常と、考えたくない今後の未来を想像して
もう疲れたっぽい主人公。

名残惜しいけど満足して、自暴自棄になっているけど
同じような状態を救われたヒロインが、今度を主人公を救うという話。

絶望から這い上がり、生きていく逞しさを教わった立場が逆転する感動のストーリーといえば、聞こえは良いですが
なんだか鬼女にロックオンされているような説明に見えなくもないです。


6大要素解説

【システム】B
システムは相変わらず分かりやすいし、使いやすい。
しかも今回はシナリオのルートが分けられており、

本編で完結編の「ブランエールの種」
ヒロインのHシーンを集めた「楽園アフター」
グリザイアZEROとなる果実前の話「プロローグ」
ヤケクソレベルのサブキャラHシーン集「デイヴ教授の抜きまくりch」

個人的には本編とHシーンを分けてプレイできるのは良い感じでした。
ダラダラと余計なシーンを入れずに、「本編は本編」・「HシーンはHシーン」と切り分けたほうが
プレイに集中できるし、考察もレビューも進めやすかったです。

他のブランドも是非採用してほしい手法です。


【グラフィック】A
本編だけでイベントCG:82枚という大ボリュームですが、キャラクターだけでなく
背景・乗り物といった演出的なものまで大量に描かれており、
Hシーン・オマケシナリオを含めると全118枚という超大ボリュームです。

SD絵は17枚と少なめに見えますが、そもそもグラフィッカーが兼任しているので
これだけの枚数を考慮すると、かなりの枚数です。

今回は3Dでの映像演出があり、ムービーも7つ用意されており
少なからずの新規アニメーションやムービー専用の映像も多数収録されていることから
素人でも分かるぐらい、かな~~~り予算が投入されています。

作画崩壊は無いものの、主要キャラ二人はイベントCGで若干別人になる現象は直らないままでした。
これも立ち絵のクオリティーが高いが故の弊害でしょうか。

個人的には○○君の顔芸がお気に入りで、最後の○○は一枚絵で鑑賞できれば最高でした。

後は・・・作品HPにある新規の立ち絵は何故に起用しなかったのか謎です。
やることが贅沢だぜ「Front Wing」!


【サウンド】A
本作のBGMは全54曲あり、作品を重ねる毎にクオリティーを上げています。
「Elements Garden」は試合中に成長するかのようにレベルアップしており、間違いなくエロゲBGM界の主人公です。
バリエーション・質・量は、どれをとってもシリーズ最高峰の仕上がりで、マジで捨て曲が存在しません。
良かった曲を列挙すればキリがなく、このサントラは間違いなく名盤です。

かといって過去のグリザイアシリーズが悪かったわけでもなく、
既に日常パートの曲が必殺の1曲となる「Elements Garden」ですが、今回は技のデパートでした。

主題歌も当然ながら良い感じに仕上がっており
今回のサウンドは大満足の内容でした。

*実際にサントラを購入したところ、今回は「岩橋星実」さんが担当しており、
「グリザイアの果実」を手掛けた、「藤田淳平」さんではないようです。
しかもサブっぽい「ピクセルビー」が予想以上に良い仕事をおり、本作のサウンドMVPです。
サウンド担当の3名による楽曲のバリエーションは他ゲーでも真似できない仕上がりですが
サントラに主題歌のインストが収録されていない!
何をやってんだFront Wingさん!
 

【キャラクター】A
本作では完結編に相応しく全員集合
過去からの使い捨ては数人しかおらず、とある小隊の二人が不憫すぎるぐらい全員が大活躍!
ほぼ全員に見せ場があります。

世紀末でイカれたキャラクター同士の会話テキストで、精神的にノーガードの打ち合いだったものの
物理的には守られていた、ヒロイン達が主人公を差し置いて大活躍しており
元主人公の風見雄二と過ごした時間で得た経験と成長を、個性と武器にして活躍する様は感動すること請け合いで、
まさにシリーズ集大成の内容でした。

相変わらず大御所デザイナーに作らせたとは思えない、永遠の二等兵みたいなキャラクターですが
SD絵の登場率は驚異の76%で、イベントCGでも要所で美味しい思いをしており、
楽園アフターなんかプレイしてると、かなり過保護な扱いをされていることが見て取れます。

よくよく考えてみると、少人数の会話だと騒がしい程度ですが
クレイジーなクラスメートが集合すると、エロゲという作品の仕様上は一人しか喋れないので
その影響で無駄に会話を長引かせるイメージが強くなりがちですが

エロゲ界の出川哲朗は言いすぎかもしれませんが、何だかんだ愛されてるキャラなんだなと思いました。
まだまだ勉強不足を痛感した次第です。

そりゃ、3作品もプレイすれば愛着も湧きます。


【シナリオ】C
何か行動しようと考えている場合は、準備している時間が一番楽しい。という一言に尽きるシナリオでした。
良くも悪くも「一体どんな展開が!?」という予測できないシナリオではあるものの、
少し浮世離れしすぎた感が・・・

これまでは小さな舞台で活躍していたからこそ、ある程度は現実的な世界観にマッチしていたものの
過剰演出が過ぎるせいか、現実味が無さすぎる。
ここまでくるとハリウッド映画か、SFファンタジーで流石に御都合主義な印象が拭えません。

なんといっても最後の方の展開は、下手すりゃブーイングが起きます。
覚えてる限りでラスボスより強かった印象のボスといえば
初代ファイナルファイトの「ソドム」とか「アビゲイル」
メタルマックス「テッドブロイラー」
FFT「ウィーグラフ」
FE蒼炎の軌跡「漆黒の騎士」

挙げ出せばキリがないのですが、
何と言いますか・・・因縁とは何だったのか。

序盤・中盤・プロローグは凄く良かったのですが、終盤は何だかなぁ・・・という感じ。


【Hシーン】B
「月下の剣士」の「御名方守矢」みたいな髪型の女上官が、
唐突に、溺れているブタのモノマネを延々と続けるものだから、それ以外は印象に残っていません。
あれに耐えられるプレイヤーは存在するのでしょうか。
年末バラエティーなら確実にお尻を叩かれます。

これまでヒゲトニオがプレイしてきた、全てのHシーンを過去にする程の衝撃で、
そんな爆笑のHシーンがプレイできるのは本作だけ!

という半分ネタで半分ガチの内容は、さておき。

Hシーンは各ヒロイン1回でイベントCG2枚と少なめですが
全13回あるので、それなりのボリュームです。

登場キャラクターもオールスターですが、先述したようにヤケクソのようなメンツ
主人公が苦労人すぎる。


【テキスト】B
今回は控えめながらも、男の浪漫に溢れたネタの数々や
台詞テキストは安定感が抜群。

時系列的には、そうでもないのですが
3作も経過すれば過ごしてきた時間の長さを感じさせる思いやりを感じ取れ、
ヒロイン同士も含めた、キャラクター同士の会話が良い感じでした。

それでも誤字はあるんですが・・・
もう慣れるしかないと諦めてます。


【プレイ中の評価5段階評価】
■■■■□ システム:4
■■■■□ グラフィック:4
■■■■□ サウンド:4
■■■■□ キャラクター:4
■■■■□ シナリオ:4

【クリア後の評価5段階評価】
■■■■□ システム:4
■■■■■ グラフィック:5
■■■■■ サウンド:5
■■■■■ キャラクター:5
■■■□□ シナリオ:3


総評価B
得点数:85点


【プレイ感想】
ちょっと期待しすぎたのでしょうか。
それとも制作陣の考える、クライマックスが早すぎたのでしょうか。
肩透かし感が半端ないです。

これまでの盛り上がり方を考えると最後の展開で全てが台無しでした。
○○は!?○○は!?といった感じで、肝心なところがアッサリしており

○○とか投げっぱなしの消化不良もあり、盛り上がり方が凄いアンバランスになっていますが
それでも面白いんだから憎めない作品です。

あらゆる要素は集大成に相応しく、大団円には間違いないので
細部まで作りこまれた設定やシナリオは「どこから考えてたんだ!?」と問い詰めたくなり
かなり練りこまれているストーリーは、最初から全て完成していたかのようにキレイに仕上がっています。

シナリオ的に細い線かと思ってたら、よく見ると細い線ですらも束になった「より線」で作られており
あらゆるテキストを見過ごせない作り込みは、尋常じゃない完成度ですが
だからこその上がりきったハードルは、ブランドとプレイヤーの温度差があったのかな。という印象です。

名作志向と大作志向の両立は難しいですが、それでも代表作を作ろうというキッカケで生まれた本シリーズは
しっかりFront Wingの代表作に申し分ない内容として発売され、「作ろうと思って名作を作る」という快挙は
ブランドの実力を見せつける結果になったかなと思います。


【OPムービー】



【あとがき】
いや~終わった終わった・・・
なんだかんだで良い作品でした。
とりあえず今回もサントラも買いに行ってきます。
もはや恒例のメジマグロマンのOPがはいってねーぞ!(i-Tunesストアで買いましょう)

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