【第二十二作目 イノセントバレット -the false world-】【予備知識】友人K情報:ヒゲさんの新作チェックによる実験台一号です。
パッケージ情報:エロゲなのにパッケージの男性率が非常に高い。
【作品紹介】ブランド:CINEMATOGRAPH
発売日:2013/08/23
ジャンル:タクティカルガンガールADV
シナリオ:昏式龍也、七海真咲、芯戯社
原画:大崎シンヤ
楽曲製作:Arte Refact
ボーカル:飛蘭、榊原ゆい
価格:9,240円(税込)
【ヒゲトニオの所感的な作品解説】「NEXTON」系列から立ち上がった、
新ブランド「CINEMATOGRAPH」のデビュー作品となる本作ですが
シナリオ・演出・バトルで良好な評価を得るシナリオライターのタッグに加えて、
新進気鋭の制作会社「芯戯社」による、隙のない陣容は安定感抜群です。
また、原画家・楽曲も実績あるクリエイターが参加しており、
初めての新作チェックでも
「これでクソゲーのはずがない」と豪語してしまい、友人Kが買ってしまいました。
発売前に作品HPで一部の楽曲を公開しており、ヒゲトニオはサントラを買ってしまいました。
<昏式龍也 氏(シナリオ・企画・原案)>超強豪ブランド「light」:「Vermilion」、「Zero Infinity」
<七海真咲 氏(シナリオ)>姉妹ブランド「Lose」:「ゴスデリ」、「FLAT」:「シークレットゲーム」
<大崎シンヤ 氏(原画家)>さよなら人類「たまソフト」:「世界ノ全テ」
超強豪ブランド「NitroPlus」:「刃鳴散らす」、「月光のカルネヴァーレ」
<Arte Refact(BGM・ボーカル曲)>「Navel」:「月に寄りそう乙女の作法」、「乙女理論とその周辺」でBGMを制作。
【ストーリー】――時代は2013年 現代。
“生体兵器” という次世代テロの脅威が降りかかり、安全神話が崩れつつある日本。
それまで平和な生活を送っていた主人公・那智祐爾 (なち ゆうじ) も、理不尽な死の危険に晒される。
だが、死の足音が目前に迫った那智祐爾の前に、無骨な銃を携えた、それとは不釣り合いな女の子たちが現われる。
「今あなたが “死” という運命を拒絶するなら…… 私たちが守ってあげる」
そして、“世界の裏側” を知る。
生体兵器のテロ、 彼女たちが戦う理由、 そして彼女たちと主人公が持つ異能 “特異点”……。
やがて那智祐爾も決意を胸に、彼女たちと同じ 戦う道 を選ぶのだった――
【ヒゲトニオの所感的なストーリー解説】現実的な世界観にドンパチと異能力を加えた
ジュブナイル作品で、主人公が巻き込まれ異能力に目覚めるという話。
日本で普通に生きていると、銃を持つ機会なんてありませんが、
主人公・ヒロインが戦う理由とは!?
異能力の設定とは!?
パッケージに写っている野郎共に全く触れられていませんが
男所帯の組織に属するヒロインってことで、魅力的に仕上がっているのでしょうか。
6大要素解説【システム】B環境設定は標準的で、個別音声設定で男性サブキャラクター毎に設定できるぐらいのが珍しいぐらいで
特に凝ってるわけでもなく簡素でもないので及第点でした。
他には登場する専門用語の
「ワードリスト」があり、
これが非常に細かく、視覚的にも分かりやすく絵も用意されており、簡潔で凄く面白いです。
また、クリア後にOPムービーとかEDムービーが見返せないのは残念ですが、
BGM鑑賞では、
ボーカル曲で超サプライズが用意されており、これは凄く良いですね!
もっと他のゲームでも採用してほしい手法です。
【グラフィック】B全81枚のイベントCGは、各ヒロインで23枚(Hシーン7~8枚)、その他で12枚と割り振られており
銃の細かさと射撃の描写は細かく、SD絵等という軟弱なイベントCGは存在しませんでした。
また、エロゲにしては珍しく渋いオッサン用にも、少なからず要所でイベントCGが用意されており良い感じです。
生体兵器の敵キャラクターも、「バイオハザード」っぽいデザインで非常にそれっぽいです。
メインヒロインの初登場シーンが、
(^p^)みたいな顔だったり、
所々でテキストに対して描写が不足している矛盾もありましたが、概ね綺麗でした。
なんといっても、しっかり
イベントCGが緊張感と迫力のある仕上がりなのが良いです。
【サウンド】A'先述したように世界観は現代ながらも、ジュブナイル要素を加えている作品ですが
音楽は全体的に近未来っぽく、BGM24曲とボーカル曲3曲で構成されており
日常パートはテクノっぽい、サイバーなデジタル音源なハイクオリティーサウンドで
ギャグシーンは矩形波っぽく、ゲーム音楽好きには"たまらない"ハイクオリティーメロディーで
戦闘シーンはトランスっぽいような、ユーロビートっぽいような、超ハイクオリティーミュージックで
とにかく言われないとエロゲとは思えない、
ジャンルを超越した名曲ばかりです。
作品HPで聴いた「search & destroy」、「engage」、「school days」でサントラの購入を決めましたが
こんなものでは済まない、
必殺の曲が複数用意されており
プレイ中に「firing pin」とか「trigger」が流れだすと、もはやクリックできません。
Hシーンなんかより、よっぽど興奮する
最高のサウンドです。
しかしながら、ボーカル曲はスタイリッシュな曲調なのに、
歌詞が妙に泥臭く全くマッチしていません、残念すぎる。
また、ヒゲトニオのノートパソコンは買い換えたばかりなので
それなりのPC環境なのですが、
BGMが変わる度に音が飛びまくりで、
かなり高確率でクイックロードしていたので、非常にストレスが溜まりました。
最後に、イベントが終わっても鳴り止まない○は不快でした。
⇒修正パッチが出ているようです。
【キャラクター】Bヒロインは、
(^p^)だったり、
(-_-)だったり、
(`●、∀・´)だったりですが
基本的に、サブキャラのオッサンが良いキャラすぎる!
ヒロインより良いキャラってのもエロゲ的に問題ですが、サブキャラなのに出番も多く
渋さの光る良いキャラクターばかりで、イチャラブ要素は排除して
ドンパチ人間ドラマを重視した作品で、もっとプレイしてみたいです。
異能力を持たない、鍛え上げた普通の人間の活躍・台詞は、グっとくるものがあり、
馴れ合いじゃないけど、命を預ける仲間同士の連携を重視した描写が多いのも、
魅力的に描かれている要素の一つでした。
ヒロインは・・・
なんか普通。良くもなく悪くもなく、普通にエロゲのヒロインって感じでした。
もう少し、○○した過去とか、あんな○○になった理由とか、○の感性とかを掘り下げて描いて欲しかったのですが・・・
主人公は素人からプロ集団に属する失敗やら葛藤やら成長もあるのですが
もう少し感情的に、力を入れて描写して欲しかったという印象です。
シナリオライターが、かなり気を使って台詞や心理を描写しているのは分かるのですが
そのせいか、
あらゆる意味で「臆病」になってしまっているのが残念でした。
【シナリオ】Cなんというか、一言で表現すると
「それっぽい」です。
設定は良い感じで、それなりに納得できますし
戦闘シーンも多いので、サブキャラクターの出番も沢山あったので面白かったのですが
日常シーンはイマイチで、盛り上がりに欠けます。
というのも、大まかな展開は共通しており、合間にヒロインとの個別イベントを見ていくのですが
大筋が一緒なので、組織に参加している経緯、過去、EDの差別化はあるものの
いまいち新鮮味がありません。
黒幕の真相とか動機も非常に
「それっぽい」のですが
ラストも良い感じに盛り上げているのに、本当に必要な土壇場で
最高に盛り上がるはずの展開も、駆け足すぎて急展開にプレイヤーの熱が置いていかれます。
終わってから考えてみると、なんとなくは分かるのですが、かなり勿体無いです。
所々で光るシーンも多く、良い素材が用意されているのに
調理する時間が足りなかったのでしょうか。
全体的に
ボリュームやら描写が不足している印象を受けました。
【Hシーン】C各ヒロインに3回ずつ用意されており、立ち絵もイベントCGも綺麗なので
Hシーンも問題なく綺麗に描かれており、テキストも真面目です。
なんか一部のヒロインで脇腹が気になったり、お口のシーンで口元がギャグだったりしましたが
そっち方面に詳しい友人に聞いてみたところ、「ひょっとこフェラ」というギャグのような言葉が存在しているらしく
マニアックな人にもバッチリ!・・・なのでしょうか?
そういや、何でエロゲのHシーンは靴下を脱がないんでしょうね。
そっちの方が人気があるのでしょうか。
【テキスト】C銃を使う命のやりとり。ということもあって緊張感バッチリのテキストは良い感じで
パロディネタも控えめで、
凄く真面目なテキストです。
ただ、銃とか射撃とか作戦行動時の技術に関してですが、
ヒゲトニオはFPSやら軍事ネタに疎いので、かなり「それっぽい」感じで読めましたが
それでも、ありえない描写もあったりしたので、所詮はジュブナイルと割り切って読んだほうが良いかと思います。
リアルなのやらファンタジーなのやら、どっちつかずで
中途半端な感じでした。
後は、漢字表現が難しかったです。
【プレイ中の評価5段階評価】■■■■□ システム:3
■■■■□ グラフィック:4
■■■■■ サウンド:5
■■■□□ キャラクター:3
■■■□□ シナリオ:3
【クリア後の評価5段階評価】■■■■□ システム:4
■■■■□ グラフィック:4
■■■■■■■■■■ サウンド:10
■■■□□ キャラクター:3
■■■□□ シナリオ:3
■■■■□ 即鬼隊:4
総評価C得点数:75点【プレイ感想】このゲームは
エロゲ初心者向けの作品です。
綺麗な映像、最高のサウンド、面白くできる設定で、光る要素は多分に含まれており
あまりエロゲっぽくないので、ヒゲトニオは何だかんだで楽しめましたが、
色んなことが中途半端になっているので、目の肥えたエロゲプレイヤーやら、
ミリタリーネタに詳しい人からすれば物足りないんじゃないかという印象が拭えません。
ヒロインが3人でも、しっかりボリュームがあれば問題ないのですが
本筋を重視したいのか、イチャラブを重視したいのか、ヒロインを重視したいのか、即鬼隊を重視したいのか
色々と足りないです。
ただ
サウンドは本当に良いです、サントラは買って間違いありませんでした。
この作品の楽曲担当は表舞台でも頑張ってほしいです
【OPムービー】)
【あとがき】うーん、練り直して追加要素を引っさげて、
一般コンシューマーに移植すれば化けそうな気がします。
<各ヒロインの印象>
神崎 莢香:戦闘シーンが多いので、一色ヒカルさんの咆哮が
完全にBBA凛々しいですね!
夜曹寺 愛:ロリキャラって何で金髪が多いのでしょう。海外ブランドに憧れる日本人気質を狙ってる・・・とか?
宮簀 早苗:このヒロインだけラストの援軍とか・・・メインヒロインすぎる。でも出番少ない。
ブログ内にもありますが、Arte Refactが楽曲を手掛けるNavelの『月に寄りそう乙女の作法』も(2ルート以外)安定したテキストの良作なので
もし機会がありましたら、友人Kと一緒に是非どうぞ。
> 妖精ちゃん 様
ご連絡ありがとうございます。
実は前々から目を付けておりましたので
いつかレビュー予定です。