*5/12:脱字修正・【サウンド】の項目を修正(サウンドモードの2ページ目に気づいていませんでした。
【第十三作目 魔法使いの夜】【予備知識】友人K情報:個性的な作品なので、人を選ぶかもしれない
パッケージ情報:パッケージを見た感じは、あんま夜じゃない。
【作品紹介】発売日:2012/04/12
ブランド:TYPE-MOON
サブジャンル:アドベンチャー
カテゴリ:ノベル、伝奇、魔法、バトル
シナリオ:奈須きのこ
キャラデザ:武内崇
原画:こやまひろかず
音楽:KATE、深澤秀行
アーティスト:supercell
【ヒゲトニオの所感的な作品解説】「月姫」で同人界に旋風を起こし、一人のユーザーに文学とまで呼ばせる「Fateシリーズ」を生み出し
テアトル系単館アニメ作品歴代興行収入の新記録を打ち出したらしい「空の境界」だけでなく
同人ゲームからゲーセン作品にまで発展した、格ゲーの「MELTY BLOOD」など
「TYPE-MOON」は、
ヒゲトニオでも聞いたことがある数少ないブランドです。キャラデザ・プログラマー・サウンド担当は、
元コンパイルの社員らしく、(「ぷよぷよ」を作った会社)
やはり、コンシューマー業界に携わっているプロの体験・知識で培われた
企業のあり方や、作品に対する品質意識は、
エロゲしか知らないブランドでは、
一生届かないイニシアチブですね。
【ストーリー紹介】―――坂の上のお屋敷には、二人の魔女が住んでいる―――
1980年後半。 華やかさと活力に満ちた時代の黄昏時。
都会に下りてきた少年は、現代に生きる二人の魔女とすれ違う。
少年はごく自然に暮らしてきて、
彼女は凛々しく胸を張って、
少女は眠るように隠れ住んで。
三者三様の星の巡り。
交わることなんてもってのほか。
何もかも違う三人の共同生活が始まるのは、あと、もうちょっと先の話―――
【ヒゲトニオの所感的なストーリー解説】昭和後半~平成初期ぐらいの時代設定のようですが
この頃は、未だ男尊女卑の傾向が強かったはずなので
女性が活躍して立場も強い作品は、
少し時代背景に合わない印象もあります。
後は時代背景の描写を、どのように表現するのかも楽しみですね。
7大要素解説【システム】今回は従来のエロゲと違い、
全てを文章で表現するノベル形式のゲームです。
環境設定はシンプルながらも必要な要素を取り揃えており
ショートカットキーがコンフィグで確認できて便利です。(説明書を読む手間が省けるので)
チャプター毎に再プレイできたり、既読テキストはシーン単位でスキップ確認されたり
少しづつオマケシナリオを開放したりと
合間で休憩できる配慮も○
また、
↓キーで文字送りが出来たので、手を疲れさせることなく一気にプレイできました。
地味ながらもプレイ時にストレスを感じさせない工夫は、ありがたいです。
【グラフィック】ちゃんとした会社に依頼して、お金と人を割いていると感じさせる映像は
エロゲとは比較にならないほど美麗で
最近はエロゲばかりプレイしていたせいか、余計に超美麗に見えます。
というか、エロゲも悪くはないけど一般コンシューマーと比較すると、どこかチープで低予算な感じが拭えませんね。
また、ノベルゲームは文章主体の為、どうしてもスピード感や疾走感を演出するのが難しいのですが
目まぐるしく変化するCGや、動きのあるアニメーション映像を多く用意することで
戦闘シーンも停滞感や「のっそり感」が無く、
目で楽しませる工夫もバッチリです。キャラクターの表情も豊かで、絶え間無い映像の変化に一役買っており
この作品は、
かなりグラフィックに予算を割り当ててると思います。【サウンド】音楽は全55曲もあり
優等生な内容に仕上がっており
どこか優雅さを感じさせながらも、緊迫感・コミカル感が壮大な音楽を演出し、
自己主張が激しすぎず、プレイ中に邪魔をしない、奥ゆかしいサウンドは正にゲーム音楽。
また、どうしても映像で動きを出せないシーンで活躍するのが本作のSE。
あえて音楽を止めて、SEのみで静寂なシーンや無機質なシーンを演出しており
これはサントラが欲しくなります。【キャラクター】最初から練り上げた構想を、何度も反芻して落とし込んでいるのか
どのキャラクターもブレない。キャラ崩壊が無いので自然と魅力的に出来上がっており
少しづつ変化する心境の機微や会話のやりとりは、プレイしていて違和感が無く
キャラクターの挙動や発言も、プレイしていてスムーズに理解できて溶け込みながらも進んでいく物語の変化は
完全にプロの所業です。キャラクターデザインとキャラクター設定が噛み合えば、個性なんぞ強烈である必要もなく
これまでプレイした作品のキャラクターも見直す必要がありそうですね。
いや~勉強になります。
後はメインキャラよりも、サブキャラっぽい人の方が圧倒的に多いのも印象的です。
【シナリオ】話の展開や構成は良く練り込まれており、全体で見ると少しバランスが悪く見えるものの
チャプター単位で切り分けて見てみると、意外とそうでもない印象。
かなり作りこまれた
自分なりの世界観を持っており、世界観や設定の説明が少々難しく
知的で詩的な会話や描写が多いわりに、
少年バトル漫画の王道展開のような熱いシーンもあり、
手に汗握る展開は自然とクリックも進み、
その時点で情報を開示せずに、ハードルを上げながら読み手に興味を持たせつつも
しっかり意外性のある、面白い展開を用意する辺りは見事。
見方によっては意外と勢いで何とかしちゃう展開で拍子抜けするんですが、
それがキャラクターの機転だと納得できなくもない。
なんとも説明しづらいですね・・・
ウィットに富んだユーモアもあるものの、ジョジョの様にコアすぎて余り分からず
プレイヤーを置いてけぼりにするシーンもありますが、分かりやすく面白い日常シーンもあり
色々なプレイヤー層を意識しているのか、結果的に本編も会話もプレイヤーに近づいたり離れたりと、
個人的には、この距離感が絶妙で
興味を薄れさせないスパイスになり、飽きずにプレイできました。
ボリュームは感覚的に1章・2章・オマケの3部構成で、意外とサクっと終わります。
ダラダラ進むシーンもあれば、テンポ良く進むシーンもあり、チャプター毎の休憩もあるので
ストレスなくクリアできました。
オマケシナリオは本編と打って変わって
遊び心と悪ノリが多分に含まれており、「○○○○○の夜」っぽいことを、やりたかったんだな。という感じで、色々と言いたいこともありましたが
あくまでオマケなので、それもご愛嬌。
考えるのが苦手なヒゲトニオでも、
しっかり読んで考えればクリアできる程度の内容ですが、
それでも他ゲーのオマケより楽しめました。
不満点としては回収されていない伏線や、説明不足があったので
続編に期待しましょう。
【テキスト】【気になったテキスト】
「たぶん、よっぽど怖い顔をしているに
違いなぞ、彼女」:違いないぞ。の間違いじゃないか?
「私もそう暇
じゃなし」:暇じゃないし。のほうが分かりやすく適切だと思います。
「アンタの
健康気にかけなくちゃいけないのよ」:台詞なので許容範囲ですが、基本的に助詞も丁寧なので気になる。
「○○○なり
に真心だろう」:これは好みの問題ですが他キャラ視点なので「なりの」方が良かった。
個人的に気になった文章は4点ありますが
許容範囲ですし、表現の好みの問題なので少し無理矢理な感じもしますね。
全体的なテキストの感想としては、先述したように
「知的で詩的」で
一気に捲し立てるような、怒涛のテキストは
「独善的で亭主関白」な印象。
自分の世界・表現に相当の自信があるのか「ついて来い!」というリーダーシップを感じました。
それでいて、プレイヤーに「ついて行きます!」と思わせる「カリスマ性」は、
立派な個性だと思います。
ただの独りよがりではなく、スポーツ実況のように極限にシンプルで分かりやすいテキストで歩み寄ったり
少しだけネットスラングも使われており、
これが親近感を生み出し、遠い存在と思わせない巧みなテクニックですね!
【Hシーン】全年齢作品なので、そんな描写はありません。
清く・正しく・美しく。恋愛要素は、ほとんど排除されているはずなのに
微笑ましいニヤニヤシーンもあるのが不思議!
ちょこっとだけ、匂わせる程度に潜ませるからこそ、際立つのでしょう。
甘く切ない土俵に立つか立たないかの男女の情緒は応援したくなりますね!
そんな要素は無くても面白いので
基本的には一つの物語としてお楽しみください。
【プレイ感想】【プレイ中の評価5段階評価】
■■■■□ システム:4
■■■■■ グラフィック:5
■■■■□ サウンド:4
■■■■□ キャラクター:4
■■■■□ シナリオ:4
【クリア後の評価5段階評価】
■■■■□ システム:4
■■■■■ グラフィック:5
■■■■□ サウンド:4
■■■■□ キャラクター:4
■■■■□ シナリオ:4
総評価B得点数:85点【プレイ感想】一人のプレイヤーに
「文学」とまで評されるブランドですが
その理由も納得の内容でした。
ヒットメーカーと呼ばれるだけのクオリティーが凝縮されていて、
「TYPE-MOON」に心を掴まれたプレイヤーが多いのも理解できます。
文章のテンポは良くありませんが、ストーリー展開はテンポ良く進み
長すぎず、
密度の濃い内容に仕上がっていて
なによりストーリー展開・グラフィック・サウンドを上手く活用して、
静と動のメリハリが非常に利いており飽きさせない工夫、伏線のセンス、どれも素晴らしいです。
後から聞いた話によると、TYPE-MOON製品は全ての作品がリンクしており
一つだけプレイしても気付けない描写や、大筋は説明されても当たり前のような細かい説明不足が存在するらしく
全作品のプレイと設定資料を見ると、もっと楽しめるようです。
そんなことは抜きにしても面白いので、十中八九は発売されるであろう
続編が楽しみですね!【OPムービー】【あとがき】し、知らなかった・・・
おっぱいとセーターに、あんな相乗効果が合ったなんて・・・
その破壊力はMAXギャラクティカファントムです、ガー不です。
なんかもう頭を使いすぎてテンションがおかしくなってきましたので
この辺で終わりにします。
はじめまして。
TYPE-MOONの作品は私も好きな作品がありますし、この作品に対し管理人さんも良い印象を抱いたものとして読ませてもらいました。
しかしFateは文学という表現は痛い信者を揶揄して馬鹿にしたのが発端です。
>一人のプレイヤーに「文学」とまで評されるブランドですが
その理由も納得の内容でした。
そのため、ここだけ素直に読むと駄目な作品と痛い信者を皮肉ったとなってしまいます。
文章全体から判断すればもちろん違うのでしょうが、ファンが用いるには相応しい表現ではなく、少し抵抗を感じてしまうのです。
>カルキ 様
ご指摘ありがとうございます。
一応は、元ネタも調べてみたのですが
熱狂的なファンによる、その人の最高の褒め言葉という印象です。
見解の相違は当ブログの様な小さな場所でも起こりうる問題で、本記事において気分を害されたのであれば
申し訳ございません。
私の意見を押し付けるつもりもございませんが
ファン同士の摩擦は、それだけ多くの方に受け入れられている証明だと前向きに解釈していただければ幸いです。